変形性ひざ関節症を自分で治す
変形性ひざ関節症とは
現在の西洋医学では、変形性膝関節症は、膝のクッションとして働いている関節軟骨が加齢にともないすり減っていくことにより、関節内に炎症が起きたり関節が変形したりして痛みや腫れが生じる病気です。しかしながら、NHKのためしてガッテンでは、東京医科歯科大学と新潟大学医学部の長年にわたる合同追跡調査により、ひざの軟骨がなくなったとしても歩く・走る・正座・しゃがみが痛みがなく行えるとの発表があります。くしくも私共の考えと同じ痛みや可動域制限の大部分は、軟骨ではなくひざ関節の軟部組織である靭帯・関節包・半月板などが主原因であるとの証明を頂き、喜んでいます。
以下、私共のひざ関節の痛みと可動域に関する考え方をQ&Aで解説いたします。
変形性ひざ関節症は自分で治せる!
変形性ひざ関節症について
変形性ひざ関節症Q&A
Q1ひざの痛みが発生する原因は
・急激な外からの力が加わった場合・・・事故・怪我などにより起こる
・慢性的な内からの力で起こる場合・・・趣味・スポーツ・生活形態・仕事などによるもの
といった場合に大きくわけることができます。
Q2自分でできる膝痛予防
自分でできる方法として
・体重を増やさない
・ひねりに注意する
・支点にするような動きは避けること
・支点にするような生活や運動は避ける(例としてスクワットを行う)
・衝撃を与えない事
・中高年におきましては、縄跳びなどの運動はできるだけ避けて頂く方がいいかと思います。
・なるべく1日2〜3回程度は、最大可動域を使った運動を2〜3分行う。
・ひざ関節における上下関節の調整運動を行って下さい。
・ここで私共は長年の膝・股関節研究の結果、膝・股関節・肩関節における靭帯・関節包の強化運動を開発いたしました。おそらくこの手法は今後の関節治療において、高い効果が望める可能性があると考えます。
チェック27のルール
Q3ひざの働きは?
A ひざ関節は人の身体の中で最大の関節であり、荷重関節として体重をすべて受け持ち曲げ伸ばしにより歩行・姿勢・動作などの役割を担っています。
Q4 ひざ関節の仕組みは?
前後左右さらに内部で強靭な靭帯と関節包でひざ関節を安定・固定・制御をしており、ひざが損傷しないように靭帯・関節包が守っています。
またひざ関節には膝窩筋といった短く小さな筋肉しかありません。ひざ関節は靭帯・関節包・腱により守られているといった表現が適切です。
Q5 変形性ひざ関節症になったらどんな痛みや症状がありますか?痛みに関しては、ひざ関節周囲はおろか、内部にまで痛みがありさらに部分的な痛みだけでなく、水腫による動作の制限まで起こります。さらに骨の増殖や損傷が起こり、O
脚やX脚・膝蓋骨(皿)周囲の痛みが引き起こされ、痛みと熱と水腫・動作制限までに及びます。ここでいう動作制限とは日本人の特性である正座ができない・階段の上り下りが苦痛・しゃがみができなくなるといった日常生活においても様々な不便や制限を引き込こします。
Q6 ひざ関節における骨の役割は?
太ももの骨と下腿の骨(すね骨)といった長くて大きな骨を膝蓋骨(皿)といったひざ関節において大きく動きを実感できる骨で成り立っています。もし、骨がなければタコのような軟体動物になり、本来の骨格の形成ができなくなります。ひざ関節の特徴として骨の形状は曲げ伸ばしにだけ向くような形を作っており、他の関節のように大きな動きはできません。さらに膝の周りには筋肉はありませんので、関節の保護はされておらず、怪我をしやすく、冷えやすい場所でもあります。
Q7 軟骨の役割は?
クッションとすべりを担当し、ひざから上の重みをすべて受け止めスムーズに動作ができるように働いています。ただし軟骨には神経はありませんので、膝が痛い場合は軟骨の削りカスが、関節包の内側にある滑膜に付着し、炎症を引き起こしているように思われます。
Q8 軟骨がなくなり、骨と骨がぶつかっていると言われました この表現をよく耳にしますが、太腿の骨と下腿の骨がぶつかりあっているようでしたら、まず半月板がないか軟骨が全くないか滑液が全くないかといったような状況が考えられます。これに関しては、私共はこの骨と骨とがぶつかっているという説明は、いかがなものかと考えます。
さらに繰り返しますが、NHKのためしてガッテンにおいて、東京医科歯科大学と新潟大学医学部の共同研究により、軟骨がなくても正座ができ歩き走りが可能。さらに痛みもないとの調査結果が発表されています。このような学説もあります。
Q9 ひざ関節を構成する軟部組織とは?
腱・靭帯・関節包・半月板・肢体などがありますが、筋肉は先ほどお話しましたように膝裏にある短くて小さい膝窩筋しかありませんので、これを十分頭にいれて頂くとご自身の治療において役立つと思います。
Q10 ひざ関節の痛みの原因?
まず、ひざ関節周囲には筋肉はありませんので、筋肉が原因の痛は少ないと考えます。ひざ周囲にあるのは上記Q7の軟部組織であり、筋肉の治療を優先する現在の治療法は間違いと考えます。ひざ関節を構成する軟部組織の治療が優先であり、次いで膝に関与する筋肉を考えるといった順番治療のはいかがでしょうか?
ひざの痛みが多い場所について
Q11太もも前面の痛みはなぜ起きるの?
ひざ痛・股関節痛がある方は元より、腰痛・猫背・O脚・X脚等によっても引き起こされるようです。全体的な見方からあまり四頭筋の強化はしない方がよいかと考えます。
Q12 ひざの内側の痛みはなぜ起きるの?
O脚を呈する変形性ひざ関節症や半月板損傷さらに内側側副靭帯の損傷による原因が多いようです。まれに腰のL4番の神経が関与している場合がありますのでご注意ください。正座やしゃがみがしにくくなり、階段の上りの際、痛みが増幅する方も多く見られます。
Q13 ひざの外側の痛みはなぜ起きるの?
腸脛じん帯炎や外側側副靭帯損傷さらに腰のL4の損傷が考えられます。曲げ伸ばしの際に痛みを強く感じる人が多いようです。またスキーでの外側側腹じん帯の損傷も多いようです。
Q14 ひざの後面の痛みはなぜ起きるの?
変形性ひざ関節症の初期に痛みを感じる方が多く、腰のL5番が作用する座骨神経痛の場合も多いようです。さらにアキレス腱の硬い人や股関節が悪い人にも多く見られます。
Q15 ひざの内部の痛みはなぜ起きるの?
前十字靭帯が切れた人や変形性の関節症の場合も多く見られ、ひざ疾患における大部分は前十字靭帯が関与している場合が多いと言われています。あなたはどうでしょうか?
Q16ひざの痛みで医療機関を受診するかどうかを悩んでらっしゃる方へ
事故やケガといった急激な外からの力が加わったものは、ただちに受診してください。さらに症状として激しい痛みや腫れ水腫といった症状がみられる場合も同様です。とにかく急性の痛みであろうが、慢性の痛みであろうが、膝の専門医を受診することをお勧めします。
Q17 ひざ痛における正しい医療機関の選び方は?
@ひざ関節専門病院であること
A疾患について十分説明してくれる医師がいること
B手術件数の多さは参考にはなりません。
C治療後、術後のリハビリが充実していること。
Dどんな疾患でも対応できるという医療機関や治療所ではなく、その疾患に特化した医療機関及び治療家を選んでください。
Q18 ひざ関節における正しいリハビリ方法及び運動療法とは
ひざ関節の仕組みの際にお話しましたが、ひざ関節治療において最も重要なことは筋力トレーニングよりもまず関節ほぐしを優先して頂きたいと考えます。この順序を間違えると治療が長引くか他の関節への痛みの波及が考えられ、結果的に治療とならない場合があります。
ひざ関節の治療で一番重要と考えることは、
私共はまず膝蓋骨(皿)の動きをスムーズにすることが一番大切と考えています。現在医療機関で行われている治療にはこの考え方が入っていません。ぜひ皿の動きをスムーズにすることを考えてください。この皿の動きを正常にするといった考え方が世界変形性関節症会議において効果が高い可能性があると認められ入賞いたしました。
ひざ関節におけるストレッチ&セラピーとは
Q19膝が伸びない場合
ひざが完全に曲げ伸ばしできないのにストレッチを行ってもなかなか効果がでません。長座の際少しでもひざ関節を伸ばすには、当院では
・半月板調整法
・うつ伏せでのかかと回し
・かかとの突き出し
・足・膝・股関節の8の字ゆらし
・関節腔拡大法
を行い、さらにご自宅でできるプログラムを提案してます。
Q20 O脚X脚の方におきましては
まず第一に少しでもO脚X脚を改善する運動を行った後、様々な手技を用いるべきだと考えます。これを行わずに治療を行うと症状がさらに増す場合が多いようです。
Q21しゃがめない・正座ができない場合
一番動作において質問が多い、しゃがみ正座に関しては、
原因としては四頭筋が硬くひざ関節を構成する靭帯・関節包の過緊張があります。
全身アライメントの調整として脚長差・骨盤の調整を行い、次いで半月板調整・かかとの突き出し・弓ぞり・うつ伏せかかと回し・後弯を調整する腹筋・腰部・足首・股関節の8の字ゆらしで可動域の調整を行って下さい。
Q22 階段が上りにくい場合
階段の上りと下りでは治療法や対応は異なり、上りに痛みを感じる人はO脚になっている場合が多く、できるだけO脚の調整運動と足首の8の字を行い、筋肉の有効活用と除圧を行って下さい。
Q23 階段が下りにくい場合
下りに痛みを感じる人は、膝蓋骨周囲に痛みが発生する人が多いようです。この場合の運動法として、・四頭筋の筋力強化がも最も痛みを増悪する可能性が高く逆に四頭筋をほぐす・緩めるといった方法が必要となります。足首・膝・背骨・股関節の8の字や腹筋のばし・弓ぞり運動・足関節腔の拡大などを指導してます。
Q24ひざ痛が原因で発生する様々な症状
例として、便秘・猫背・深呼吸がしにくい・O脚・X脚・足裏のタコ・ウオノメ・カサツキなどがあります。
各症状により各人に合った体操は、動画ギャラリーにて
Q25 ひざ関節疾患予防するには
・スムーズな皿の動き(膝蓋骨)を保つ
・長座にて膝が完全伸展できること
・O脚X脚にならないように膝関節のみならず、足関節の動きがスムーズであること
・常に体重が増えないようにコントロールすること
・ひねりに注意する
当院へ来院される方の膝痛を発生した原因として、ひねりがあります。一番多いのですので、なるべく気をつけてください。
・ひざを支点にする動きを控える
ひざを支点にする運動(スクワットなど)を行うことにより、軟骨の減少を伴いますので、靭帯・関節包に大きな負荷がかかるようになります。できるだけ支点にするのはやめてください。
・ひざに衝撃を与える回数を少なくする事
これはもちろんの事ひざ関節に多大な負荷を与えます。これもやめてください。
変形性ひざ関節症の応急処置について
除圧・安定・固定・アライメントの調整・冷却・挙上が必要と考えます。
Q26除圧・安定・固定は、痛む場所に体重をかけずに日常生活を送ること。
そのために固定としてテーピング・包帯・またはサポーター・コルセットを用いてください。
Q27 アライメントの調整や挙上は?
O脚・X脚・膝蓋骨の動き膝の可動域制限を取り除き、就寝時はなるべく膝から下を心臓の高さまで(床から5〜6pほど)挙上して頂くと痛みや腫れが少なくなる可能性が高くなります。もちろん安定・固定・冷却は必ず行って下さい。